第7章 後輩の幸せ

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私が先輩と出逢ったのは大学に入学してすぐのことだった。 ごく一般的な家庭に生まれ、将来も定まらないままただ何となく進んだ大学の天文サークルに入った。 そこに先輩はいた。 今どき珍しいストレートの黒髪。真っ白な肌に整った顔立ち。 その肌に目立つ真っ赤な形のいい唇。 背は少し高めでそれでいて女の子女の子していた。 初めて先輩と会った時、有り得ないほど綺麗だと思った。 息をすることも忘れるくらい一瞬で私の全てはまるごと奪われた。 「...っ/////」 そんな先輩はいつも人に囲まれてていつも笑ってて優しかった。 いつも悩みなんて一つもなさそうな顔で笑っている。 当然、男からも綺麗で愛想がいいとモテていたし私の知っている限りでも何人か付き合っていた人はいた。 先輩は女で普通に男を好きになって結婚して家庭をもってって... そんな普通の幸せを手に入れられることの出来ない私と先輩は対照的だった。
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