第7章 後輩の幸せ

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その頃には先輩とはかなり親しくなっていた。 先輩への特別な気持ちを除いては何だって話してきた。 でも先輩はあまり自分のことを話したがらなかった。 私に対してだけでなく無意識に壁を作っているように感じた。 「先輩って兄弟とかいるんですか??」 私は何気なくそう訪ねたことがある。 「...いないよ」 少しの間と切なそうな顔が物語っていた。 「そう...ですか」 どうして兄弟のことを隠すのか、どうして...そんな苦しそうな顔をするのー? 「ええ」 先輩が隠した以上これ以上そんな顔はさせたくなくて聞けなかった。 「私も1人っ子なんですよ!何か運命感じますね!」 「運命って」 先輩は私の言葉にクスクスと笑った。 やっぱり先輩は笑顔が一番だ。 その時は本当に面倒な女を好きになったものだと心底後悔したけれどもう止めることの出来ないほどハマってしまっていた。
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