第7章 後輩の幸せ

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〔 颯那サイド〕 (「佳奈が欲しい」) 昨日、自分の口にしてしまった言葉を思い出す。 「何これ.../////」 恥ずかしすぎる...!! 私は1人で赤面する。 あんなこと言ってしまう気は無かったのに...。 真っ白な肌にぷっくりとした唇、くりっと大きな瞳、サラサラの肩まである綺麗な茶髪。 女なら1度は望むであろう女の子らしい完璧な容姿の少女は私の隣で昨日の様子からは想像もできない幸せそうな顔をして眠っている。 「綺麗...」 あれは佳奈が私に望んでいたであろう言葉だと思っていた。 嘘だと分かっていてもあの子は自ら騙されるだろうと。 私はそれを分かっていて、心地よいと感じた。 「佳奈...」 指の隙間を心地よい綺麗な茶髪が通り抜ける。 ふと視線をずらすと少女のはだけた真っ白な胸元に目立つ赤黒いしるしが瞳に映る。 佳奈が本当に欲しかったものは。 私が執着した物はこんな物だったのだろうか?
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