第8章 初めてのケンカ

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数週間程前、佳奈の私物が大量に家に移動してきたことがあった。 ずっと私の家にいて家事は殆どやってくれている。 買い物だけは私が仕事帰りにしていたが...。 ん?あれ? 「...ねぇ?もしかして今あんたの生活費って私が出してる?」 「まぁ、そういうことになりますねぇ。」 「...」 「私は先輩の物なんですからちゃんとお世話して下さいね?」 「佳奈」 「何ですか??先輩♪」 「今すぐ帰って」 私は一拍置いてから言葉をはっした。 「えー!」 「当たり前でしょ!私はあんたの保護者じゃないの!!」 危ない。危ない。 このまま一生佳奈の面倒を見ることになるところだった。 「でも、私ここ以外に行くところなんてないですし...」 「そんなん自分の家に帰りなさいよ!」 「そんなのとっくに出ていっちゃってますよ。」
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