第8章 初めてのケンカ

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「本当ごめんね。光」 レストランで向かいあうとついつい謝ってしまう。 「いいって。それよりありがとな」 「えっ?」 謝っているのにまさかお礼を言われるなんて思わなくて驚いた。 「俺のために料理作ってくれてたんだろ?」 「っ!?」 「さっき颯那の家行った時になんか美味しそうな匂いしてたし颯那も焦ってたもんな」 そう言うとクスッと笑う。 「バレてたんだ...」 美味しそうな匂いじゃなくて焦げ臭い匂いだと思うけど...。 まぁあれを見られなかっただけマシかな...。 分かっていたのにその場で言わなかったのは光の優しさだろう。 「むっちゃ嬉しかった。ありがとな」 ドキッ 目が細くクシャっとなるその笑顔に心臓が高鳴った。 眩しいなぁ。。 光はいっつもキラキラしてる。 私とは全くつりあわない。 ありがとう...か。
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