第8章 初めてのケンカ

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そういえば佳奈にありがとうって言ったことあったっけ? 佳奈は私好みのご飯を作って私のことをいつでも待っててくれて。 私にご飯を作ってほしいなんて言ったことはなかった。 私が料理が苦手なことも知っていたのだろう。 それどころか私が望まないとこは何一つしようとしなかった。 佳奈のお願いなんてエロいことばっかりだし...。 「傍に居られるだけでいい...か」 いつだったか佳奈が言っていた言葉を思い出す。 だからってあれは佳奈が悪いんだから! でも... (「先輩の傍に居られる時間が減っちゃうじゃないですかぁ」) 私が仕事を優先する光に寂しさを感じていた事にあの子は気づいていたのかもしれない。 ばか。 だからってそんな理由で仕事辞めるような馬鹿がどこにいるのよ! ... ちゃんと話聞いてやれば良かった。。 「颯那...?」 「ううん。何でもない」 今とてつもなくあの子に会いたい。
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