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「二〇二〇年の新聞読んで、外でショック受けてるわ」
「え? いつの間に!」
「こちらにもタイムマシンがあるからね、三十六歳のわたしに頼んで、メンテナンス用の部品と一緒に買ってきてもらったのよ、胸騒ぎがするから行ってもらって正解だったわ」
「なんで? わざわざ?」
「三十六歳のわたしによると、あの夜、直樹がなかなか部屋へ訪ねに来なかったそうじゃない」
「ええ、高速エレベーターを使えばすぐなのに」
「階段を使っていたのよ、あの子、自分の身体をいじめるのが趣味だから」
「ゲロゲロ! マジっすか!」
「で、そこで北沢と遭遇したのよ」
「え! 北沢さんといえば麻子さんの不倫相手ですよね」
「よく知ってるわね、さては沙耶の仕業ね、しょうがないこと」
「なんで、北沢さんがいたんですか!」
「それは未来の北沢で、たぶん麻子さんが危険だと気がついてタイムマシンを使って妨害できないように未来へ誘拐しにきたんじゃないかしら? ストーカーだったりして」
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