第四章 実行

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 「未来から! おっそろしい! あれっ? ストーカーってなんですか?」  「女の子に執着して追い回したり、盗撮したり、盗聴したり、いたずら電話して喜ぶ変態のことよ。今じゃ犯罪者として認知されているの」  「ゲロゲロ! キモ~! でも、どうして部下を派遣してやらせなかったんでしょう? 未来の総理大臣でしょう?」  「来たのは部長時代の北沢ね、部長クラスじゃ未来へエージェントを送るような権限はないわ。よほど麻子さんに執着してたんでしょうね。で、北沢と直樹が対決したんだけど……」  「どうなったんですか?」  「包丁を持った北沢を階段から蹴り落としたちゃったの」  「いい気味じゃないですか!」  「冗談じゃないわ、息子を人殺しにする気?」  「ええ! 北沢さんは死んでしまうんですか! やった! だったらテロなんかやらなくていいじゃん!」  「そうはいかないわ、北沢が総理でなくなるだけで、タイムマシンの大量生産は止まらない。ほかの人間が計画を継ぐだけなのよ、それだけじゃないわ」  「なにかあったんですか?」  「それがややこしいことになってくるわけ、あきらかに息子が殺した死体があるのに、とうの本人はピンピンして出社してきたらミステリーだわ」  「なんで? あっ! そうか! 殺されたのは未来の北沢さんだから!」   「で、被害者の身元が不明でも殺人には違いないから、直樹は逮捕されてしまう」  「ゲロゲロ! ヤバいじゃないですか!」  「だから、この作戦を成功させないとダメなのね」  「ええ! 息子さんを助けに行かないんですか?」
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