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「わかってないわね、タイムマシンのデータを完全に破壊してしまえば、未来の北沢はタイムマシンを使って麻子さんを狙うことができなくなるのよ。と、いうことは直樹が殺人を起こす心配がなくなるわけ、なんせ被害者が未来からやって来れないんだから」
「なるへそ、そういうことか」
「さーて、力(りき)入れるわよ!」
そう言いながら、四十六歳の堀越は茶室のドアを開けて、二十二歳の麻子に命じる。
「いつまで未来から届けられた新聞にショックを受けてんのよ、それは来年の話なんだからね、今は二〇一九年、そんな二〇二〇年を迎えたくなければ、今ある問題を解決しなくてはならないの! 一緒にがんばろう! 麻子さん!」
「わ、わかりました。今年で一歳になる子供たちと直くんのためにがんばります!」
それを聞き、「ちょっと待ったー!」と、美樹は大声を上げた。
びっくりして「なによ、大声だして、耳が痛い」と、堀越は目を白黒させた。
「さっき、なんて言ったんです? 一歳の子供がいるって聞こえたんですが?」
「そうだよ」と、堀越が答えた。
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