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「あ、そうだ。
クリスの血液、アレからマリアンナとか言う女の復活ってやっぱり出来そうだったか?」
「何故、それを今聞くんだい」
「だって、もうデータは抹消されたんだろ?
冥土の土産に少しくらい教えてくれてもいいと思うんだが」
「アンタには関係のない話さ」
「関係ない……ねぇ」
突き放す様に答えると、晃の顔が途端に冷たく凍てついた表情へと変わる。
途端に、心の内まで見透かされているかの様な感覚に突き落とされ、その瞬間我に返った。
まずい、彼は危険だ。
分かってはいたが、そんな理解とか関係なく、身体事態が警戒を鳴らしている。
「もういいだろう、データはココにはないんだ。
早く出て行っておくれ」
「私は貴様を人間の中では比較的評価してやってるというのに、随分な言い方じゃないか」
晃の口調が変わった。
「そうだ、貴様は、人間からメモリアに変わるメカニズムを把握しているか?」
「……」
何だ、晃は……彼は何をいおうとしているんだ。
「人間からメモリアに変化する際、DNAの複製はなく、寧ろ一部が破壊され、違う“何か”がその間に潜り込む。
貴様らは確かそれをPhantomと名付けていたな。
死後に、その物質が消滅するから」
「だから何だって言うんだい」
「それって本当に消滅してたのかい?」
体に纏わり付く蛇の様なプレッシャーが途端に全身を締め付け始める。
まずい、彼は予想外に研究の先を知っている。
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