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「Phantomは死後消滅したのではない、アレはただ姿を変えてそこに有り続けている。
つまり、貴様らが言う言葉を使うなら、“アレ”は
PhantomではなくMimicry擬態だ。
コレが何を意味するのか貴様なら理解出来るだろう。
あの砂は単なる仮死状態に過ぎない」
「それにしては、砂になったメモリアが復活したと言う事例は聞いた事ないじゃないか」
まずい、彼は完全に理解して話ている。
このままでは、私のごまかしもいつ迄通用するか分かったものじゃない。
「それは、今回の細胞が擬態を引き起こすに至った理由が関係する。
我々の生命エネルギーで有る記憶が身体中から吸い出されると、DNAを結合させる力はそこで失なわれるのはお解りだろう。
結果そこには崩壊した通常細胞とエネルギーの消費を抑える為に、それに擬態した我々の細胞が残される。
ここから吸い出された記憶を戻す事で、エネルギーが供給され、復活する事は容易に想像できるだろうが、問題の記憶はその時大抵どこに有る?
そう、捕食した他のメモリアの腹の中だ。
捕食した記憶はその時栄養に変化され、多少元の姿を失うが、捕食したメモリアの体には確かに存在する。
そこから導き出して作り上げたのがクリス。
貴様が最近必死に調べている血液の人間だよ」
成る程、だからあの血はマリアンナの砂に反応しあの様な歪な肉片の姿を成す事が出来たのか。
「アンタ、私と協力したら良い助手になっていたかもしれないねぇ」
「それは光栄だ。
そもそもそれを理解していたからこそ、メモリアの亡骸の砂を必要に調べていたのだろう?
私も是非その研究に積極的に加担したかったのだがね。
拒絶したのは貴様じゃないか」
当たり前だ、今の話には穴が有る。
だが、その穴を知られる訳にはいかないのだから。
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