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「お前のゲロも彼女の処分もこちらでするから、家に帰って休め。
1週間後、会いに来るからその日は家にいろよ」
「違う……だって……ハハッ俺……」
俺に突っかかってきたり、自分の命を意外と軽く見ている部分が見え隠れしていた事もあった為に、てっきり精神の強い主人公体質なのかと感じていたのだが、どうやら過大評価し過ぎていたようだな。
理解不能な笑いまで混じり、何だか不気味だ。
こうなれば、もう命令で動かすしかない。
『今日は自分の部屋で休み精神を落ち着かせろ。
そして、俺がお前の前に現れるまでは、自由にメモリアを調べて構わないが、誰にも悟られない様に気をつけろ。まあ、それ以降も調べるのは自由だが……
最後に……自分の命は大切にしろよ』
すると、晃は呆然とした表情で無言のまま、この研究室の鍵を開けて出て行った。
意思と無関係に動くあの姿は、あまり気分の良いものではない。
命令は全てを狂わせる。
静寂だけが戻ったその空間で、その場にしゃがみ込み、深く息を吐く。
「……疲れた」
子育てとは、こうも面倒なのか。
正直、俺には何もかもが初めてで混乱してばかりだ。
改めて親の偉大さを感じるな。
「……マリアンナ」
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