オークとエルフの話

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オークとエルフの話

オークのロックは名前の通り堅い筋肉に大きく日に焼けた体の岩のような男だった。オークにしてはやや細面(他種族からみたら十分に強面である)でブルネットの髪をかつては乱雑に邪魔になれば短剣で切って済ましていたが、今はロックの世話をしたがる者が定期的に丁寧な手入れをしてくれている。顔にかかるくらいの頃に適当に処理していたのをロックはこれが好みなのだと思っているようで、顔にかかるかかからないかくらいを保つようになっていた。十代後半から二十代前半の間はとあるオーク族の跡取りとして見聞を広めるべく世界を旅していたが、今は落ち着き集落で族長たる父の補佐をしている。かつて十年近く旅をした世界は広く、様々な人間(人間とは知恵と理性をある一定以上持ち他種族とも交流が持てる生き物の総称であり、オークはもちろんエルフや様々な獣人(いわゆる人間はこのカテゴリでファレスと呼ばれている)達の事を指した)を見てきた。 その旅の過程でロックは、あるエルフと出会った。     
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