第四章 廃盤御免

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次の日、 いつものコンビニに行くと塩おにぎりがなかった。 「あれ?塩おにぎり、ないや。」 いつも買っていただけにショックで声に出して言っていた。 「廃盤になると話していたら、朝に入荷しなかったんです。」 「廃盤?」 「前から言われていましたが、ついに入荷しなくなり僕も残念です。」 「そう…ですか。」 「塩おにぎり工場にいたので僕も作れるんですがお客様に手作り差し上げるのは気持ち悪いですよね?」 「え?工場に?」 「はい。米所の生まれで家には実家から送られたお米があるんです。個人的に差し上げるのは構わないのですが嫌かなと想いまして。」 確かに友達でも何でもないのにコンビニの店員さんの手づくりおにぎりをもらうのはどうなのか?と暫く考えた。 「食べて…みたいです…。」 「本当ですか?!塩おにぎり食べる方には是非、食べて頂きたい自慢のお米なんです。もし会社帰りにコンビニお立ち寄り頂けるようならお渡し出来ますが…」 「本当に良いんですか?」 「勿論です!塩おにぎり好きに食べて頂きたいです、田舎の味を。」 「ぢゃ、夜8時くらいにコンビニに来ますね。時間は大丈夫ですか?」 「はい!コンビニの塩おにぎりに負けないです!お待ちしてますね♪」 「ありがとうございます。」
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