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十日後、たまたま通りがかった貨物船に発見され、漂流していた船乗りは、救助されました。しずくたちは、胸をなでおろしました。
そのとき、そこにいたしずくたちは、しばらくの間、仲間と集うと、かならず、
「ぼくらは難破した船乗りを救ったよ」
という思い出話をしました。けれども、その男のヨットを沈めたのも自分たちだけどね、という部分については固く口を閉ざして、胸のうちに留めておきました。
(終)
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