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今日もどこかで女性たちが反対運動を起こしていた。
テレビに映る女性たちは全員帽子にマスクといった出で立ちで大きな旗を振り上げていた。
胸には“告白拒否禁止令反対”と書かれたボードがぶら下がっていた。
決まって反対運動の後はあるニュースが流れた。
昨年と比べて、強姦、ストーカー被害が激減したというニュースだ。
それもそのはずだった。
襲う前に『好きです』と言うだけで犯罪では無くなるのだ。
そのせいで街から女性の姿が消えた。
ほとんどの独身女性は家にこもるようになった。
そんな中、逃れられない女性たちがいた。
それは義務教育の彼女たちだ。
今日もいつものように学校が始まった。
『はぁ、、、』とため息をついてテレビを消したのは、都内の高校に通う立花京子だ。
そんな姿を見て母親が声をかけた。
『京子、大丈夫!あなたには幼馴染の啓介くんがいるんだから。』
母親の言葉に京子は顔を赤らめて反論した。
『啓介はそんなんじゃないから!たんなる幼馴染!』
『あらそう。ごめんなさいね。』
母親は食器を洗いながら舌を出して笑った。
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