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チュパカブラvsアナコンダゾンビ
“……アラン、父さんは国家機密を知るがゆえに行動を制限されていたのだ。家族にすら年に数度しか会えない。それに父さんは汚れている、人体実験を繰り返した父さんは、お前達に顔見せできん……”
「父さん……」
“アラン、朝まで待つんだ。チュパカブラは朝日に当たると細胞が腐って死んでしまう。そのキャンプ場に軍が向かったのも知っている。父さんは祈るだけだ。軍がチュパカブラと、そしてアナコーー”
そこで唐突に電話は切れた。ひょっとしたら、父の背後に誰かがいて、電話を止めさせたのかもしれない。
アランは落ち着かない。父も心配だし、母も寝込んでしまった。
それよりもアナスタシアの方が気になる。彼女も今頃、ホテル「スプラッターハウス」の部屋で家族と共に不安に震えているのだろうか。
「……ごめんね、母さん」
アランはルームキーを手にして部屋を出た。そして鍵をかけると、人気のない廊下を静かに進み、エレベーター脇の非常階段を伝って、ホテル裏手から外に出た。キャンプ場はやたら静かだった。
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