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チュパカブラvsアナコンダゾンビ
水辺で裸足で遊ぶアランとアナスタシア。端から見れば、仲の良い青少年カップルのようだ。
「ずっと話がしたいと思ってたの」
サンダルを右手に提げて、アナスタシアは水辺で戯れた。彼女の周囲では水着姿の老若男女が、クリスタル湖へ行き来している。
「え?」
「あなたの事よ」
アナスタシアの頬が赤いのは、夏の陽射しのせいかもしれない。
「いつも学年二位のアランってどんな人だろうって」
「ぼ、僕も気になってた、アナスタシアってどんな人だろうって」
アランも靴とソックスを右手に提げ、ズボンを膝まで上げて水辺で戯れていた。
「一回は危なかったわ、得点差がたったの二点で」
「僕もあの時は悔しかった」
アランとアナスタシアは見つめあって互いに笑った。二人とも時間が止まればいいのに、と思った。
その時、監視員がホイッスルを鳴らしながら、観光客に水辺から上がるように告げた。
野生動物らしきものに、観光客が襲われたので、一時避難せよとの事だった。
警察車両も数台やってきており、キャンプ場は不安に包まれた。
「……じゃあね」
アナスタシアは仕方なくといった様子だ。
「ぼ、僕はスィートホームに泊まっているんだ」
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