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チュパカブラvsアナコンダゾンビ
アランは力強く言った。彼は少年から男へと、僅かな間に変わりつつあった。
「君は?」
「……スプラッターハウスよ」
アナスタシアの振り返った横顔は寂しげだが、憂いを帯びた表情の奥に微かな希望を求めているようだった。
「良かった、近くだね。送ってくよ」
アランはアナスタシアの手を握り、騒然となった観光客の中を進んでいった。
キャンプ場裏のグラウンドで、十人ほどの女子大生らが、二つのグループに別れて言い争っていた。
「何よ、騒々しいわね」
一方のグループのリーダー、ベルは怪訝な顔をした。彼女達の元には、まだ誰も伝えに来ていない。
「どうでもいいわよ、あんた今日こそは覚悟しなさいよ? このドロボウ猫!」
もう一方のグループのリーダー、イーダは取り出した硬貨を親指と人差し指に挟んだ。
「こおおおお…… コオッ!」
グニャリと硬貨は二つに折れた。
さすがはチアリーダー部キャプテンのイーダだ。タンクトップからのぞくぶあつい胸板と上腕二頭筋は本物だ。
「……ふん。ヘイ、ヘイ!」
ベルが仲間達に指図すると、他の女子大生は皆、板を取り出して構えた。
「イーヤアアッ!」
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