設定

3/5

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
[続] そんな折で、妹の身元引受人が居ないと事で施設に送った事を伝えられ、塔矢は激昂。自分が育てて愛したその存在の為だけに己は生きているのに理不尽に彼女を引き剥がされ、余つ手の届かぬ場所へ追いやられた事、一刻も早く彼女の傍に行きたいのに何時まで経っても解放してくれない現状等重なり錯乱した彼は押さえ付けていた警官等に怪我を負わせてしまい、精神は破綻。結果的に彼は留置所から開放される事が無くなる程超厳重注意人物として陽の光が届かぬ地下にて自由を制限された生活を余儀なくされる。 その頃になると彼の頭には自分と妹の事しか無くなり真面に食事を取らなくなる等の弊害も見られる様に。警察等は凡からず自分と妹を引き裂いた外敵であり何時でも殺意の対象として認識される、移動の際は両手足に太い拘束具が欠かせず彼が8歳の時から現在に至るまで殺され重症をおった人間は溢れる程におり誰も彼に関わりたくないと思う程。 そんな彼をカウンセラーのみ見捨てず見てきたが彼の反応が愈々薄くなり人間性すら危うくなった時、妹が高校生になったと報告を行う。数年ぶりに顔を上げ反応を示した塔矢に匿名でなら手紙を出させてやると告げ『だから妹の事は忘れろ』と条件を出す。 彼の人間性を戻すにしても行き過ぎた妹への思いは既に彼から切り取る事は不可能であり区切りとして手紙を出す事で彼女への思いを切り彼の人生をやり直してほしいとカウンセラーは思うが塔矢にそれは届かず、妹へ手紙を送れること其れだけが頭を占め部屋にこもり只管妹の名前を紙に書き続け何十枚となった異常の手紙を妹に送る。 其れを境に自分は何故こんな所にいるのだと改めて思い直した塔矢はカウンセリングの移動の際、隙をついて警官等を撲殺、警備の薄い夜中を狙い留置所から脱出し遠く離れた妹の元へ向かう事に。すぐ様其れは報道されるも元より頭の回転が良かった塔矢は道すがら他者を殺め身形を整え車を得て故郷へ向かう。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加