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数日後。 1ヶ月後の学校祭へ向けて校内は活気付く。うちのクラスは演劇をすることになった。俺は大道具担当。演技は苦手だからちょうどいい。そういえば、あいつは文化系クラブだからそっちを優先できるんだったな。それは……同好会でもか?どちらにしてもこんな事しなくて良いのだから羨ましい。 準備時間は放課後に充てるため、その間、図書室へは行けなくなった。そして、そんな日がしばらく続いたある日、鎌倉が学校を休んだ。 鎌倉の休みは三日も続いた。 俺は、家が近いからという理由で、学校の配布物を鎌倉に届けるよう担任から頼まれた。俺も気になっていたからタイミングが良かった。それに、面倒な大工仕事からも解放される。 学校から徒歩10分。鎌倉のお母さんに通され、俺は今、鎌倉の部屋にいる。寝込んでいるのかと思ったが、起きて座っていた。とたんに俺は、自分が置かれた状況に居たたまれなくなり、咄嗟にテーブルのノートに『からだ、大丈夫か?』と書いた。 「ははっ、やっぱり面白いね高崎。ここは図書室じゃないんだから」 わかってる。けど、眼鏡じゃない鎌倉の前だとつい場の空気にやられて手が動く。 「クセになった。で、大丈夫なのか?」 「……うん。大丈夫」
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