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俺は大道具班に休むと断りを入れ、すぐさま図書室へ走った。いつもの席に座る鎌倉は、虚ろに窓の外を見ていた。とりあえず居てよかった。さりげなく隣に座り、読書しながら様子を伺った。 お互い何の言葉もなく、時間が過ぎた。 すると突然、鎌倉が話し始めた。 「なんで来るの!?邪魔しないで。ぜんぜん書けないよ……高崎」 ここに来始めた頃によく言われた台詞だけど、なにか感じが違う。鎌倉は今にも泣いてしまいそうな顔をしていた。かと思えば、手を震わせながら書き始めた。 『高崎が来なくなってから、それからずっと』 「書けなくなった……。高崎……私……」 鎌倉がまだ何かを言おうとした時、チャイムが鳴った。完全下校の時間になった。この日、俺は鎌倉を家まで送った。そして、一言も話すことなく着いてしまった。 なんとなく気不味いまま別れたのを最後に、また図書室へ行かない日々が続いた。 あの日以来鎌倉とは言葉を交わしていない。
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