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昼休み。 昼食を摂った後、俺は中庭の木の下で芝生に寝転がって虚ろに空を見ていた。行くべき場所には行かなかった。 いつもなら、この時間は部活の昼練習をしているはずだった。 今は何も考えたくないし、考えようにも頭が働かない。ただこうして浅い呼吸で空を眺めてると、自分が空気と同化しているような心地がして何故だか落ち着く。 「白……」 空を流れる雲を見て、無意識的に出た言葉は、木の陰から女子高生を呼び出した。 「なに見てんの?」 出てきたのはうちのクラスの鎌倉 里奈。 一言で言えば目立たない、どこにでもいるイチ女子。と、言えば「人のこと言える立場か」と一蹴されそうだが、どうもこの女子、怒ってるのか目付きが悪い。現に今、空を遮るように俺を見下ろし、睨みつけている。 「なに怒ってんの?」 「高崎が覗いたから」 「そんなとこに立たれたら見えるだろう。鎌倉……白」 一言多かった。 彼女は肩を怒らせ無言で去ってしまった。 
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