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あなたは何色をお持ちでしょうか。
色というのは誰もが持ち合わせている。と、仮定する。
元々、この世に生まれた瞬間は誰も色を持ってない。
これを「白」と私は呼ぶ。
それは美しき色で何色にも何者にも染まってしまう儚い色。
この世のものとは思えない神秘的で美しき色である。
だが、その色は少しずつ、生きている限り変化する。
白に始まり
赤・橙・黄・緑・青・藍・紫
そして黒。
大きく分けてもこれほどの色を人は持つ。
(実際もっと詳細な色を割り当てられる人も多くいるだろう。)
変化をすればするほど色は多彩にも複雑にもなる。
だが、色は混ざり続けるとやがて「黒」という色になりそれ以上変化をもたらさない。
私は時にこんなことを考える。
何色にもどんな色にも染まろうとするモノはいずれ黒に染まってしまい、本当の自分の色がわからなくなるのではないか。
もし上手く綺麗に区分して染まり、いろんな色を持てたとする。しかし、その中から自分の色を見つけ出すのは容易いことではない、と私は思う。
ここで勘違いをしないでいただきたい。
全て染まりきって「白」を持たないモノが絶対にいない。とは私も断定できない。
しかし、「白」は最も早く、そして簡単に染まりやすい色であるのは確かだ。
だから、私は言いたいのである。自分の色を簡単に決めないで欲しいと。簡単に染まらせないで欲しいと。
なぜなら「白」は、生まれ持った特別な色でありながら何色にでもなれる、素晴らしい色である。その反面何色にもなりうる、最高に虚弱な色であるから。二度と戻らない色であるからだ。
そして今もなお、変化をもたらす「白」は貴方という色を何色に染めていくのでしょうか。その色を決めるのは、”貴方自身”です。
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