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―そして、舞台は冒頭の場面へと戻る。
峰丸は編笠を指で持ち上げて位置を整えると、見上げた空の眩しさに目を細め、また歩き出した。
光が緑葉の表面に反射し、雨上がりの露が燦々と輝いている。
けもの道を抜けると、そこには城下町が広がっていた。
辺りには商家が立ち並び、様々な人々が行き交っている。
峰丸は背負っていたカゴを一旦下ろすと、中から柄杓を持ち出して声を上げた。
「油――、油はいりませんか――!?」
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