おーい中村くん

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また同じように担任にどやされる二年生がスタートするのか、と思っていた高校生活にある変化が訪れた。  同じクラスになった玉利知加子さん  背丈は168cmの僕から比較すると157、8cmくらいかな?笑うと猫みたいな三日月型の瞳になる、細見だがほっぺただけは柔らかそうで加治木町の銘菓加治木まんじゅうみたいに真っ白でモチモチしている。それがちょっと愛くるしい。 玉利さん、普段はクラスの人とあまり話さないおとなしくて目立たない人。 そんな印象だった玉利さんがとある土曜最後の授業後に僕の耳元でささやいてきた。 「中村くんあのね、中村くんには内緒なんだけど私中村くんがちょっと好きなんだ」 (は!?) 「御意」 思わず混乱して武士語で返してしまったでござる。 「なにそれおかC」 玉利さんはクスクス笑いながら教室を出ていってしまわれた。  帰り道、僕は自転車には乗らず、ゆっくり自転車を押して歩きながら玉利さんのウィスパーボイスを何度も反芻した。 「あのね」は前置きの言葉だ。それ以後伝えたい言葉を強調したい時にモチいる。 (玉利さんのモチモチほっぺたかわE) (ふぅ・・・) ひ、「秘密」は隠しておきたい内緒の言葉。
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