第2章 呪い

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第2章 呪い

 原稿用紙に万年筆を走らせる相模の姿があった。  静かな家の中で、万年筆の音だけが囁いている。  あの絵はまだ壁に掛けられたまま。  だが男の口は相模によって赤く塗られていた。  そして狂気じみた笑みを浮かべる相模の口もまた真っ赤だった。 「ねぇ、この小説読んだ?」 「……あっ、知ってる! アレでしょ? 奥さんと子供噛み殺しちゃった人が書いた奴でしょ?」 「そう! 読んだ?」 「あたし小説は無理。漫画だったら読んだのに」 「今、凄い売れてるらしいよ! 本人捕まっちゃってるけど」 「マジヤバイね」 「でもね……チョーつまんない!」 「ウケる!」
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