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水平飛行に入り3分程経った所だった。
「機長、エレベータトリムに異常警告です」
EICAS(Engine-Indicating and Crew-Alerting System)の表示を見て副操縦士の橋本が声を上げた。
「うん、何だ?」機長の高田もEICASを一瞥した。
その瞬間、『ビー、ビー、ビー』という警報音が鳴動し、突然、自動操縦がキャンセルされた。
「何!?」高田が叫ぶ。
一瞬にして機体が左にロールし背面飛行になった。
その後、機首を大きく下に向け急降下に入った。
物凄いマイナスGが機体に襲いかかる。
機長の高田は必死で機体を立て直す操縦を試みていた。
その間も、機体は背面のまま秒速500フィートの高速で落下していた。
機体をエルロンでロールさせ、エアスポイラーを一杯に展開した。
そして、サイドステックを一杯に手前に引いて、機体のピッチを水平に戻した。
結果、1万6千フィートで何とか水平飛行に回復する事が出来た。
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