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勝手に出てくる涙に対抗するように、チョコレートのお菓子を頬張った。中に甘ったるいソースが入っていて、やっぱり私の嫌いな味だった。
甘いものを食べるユキの姿が目に浮かぶ。私はよくユキに連れられて、おしゃれなカフェを巡ったりもした。
いつも、幸せそうにスイーツを食べるユキを見ていた。ただ甘いだけの塊を、無理に押し込みながら。喉が焼けたように痛かった。
場違いで、陽気な着信音が鳴った。
「もしもし」
「ごめん! 戻れそうにないから、先帰ってて!」
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