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「かけ直すわ、お前の電話代かかるの心配だし」
私の担任のせんせーは性格イケメンであり、そして…え?少女漫画ですか?ってくらいのキュンキュン台詞をサラッと口にする人だった。
高校2年の冬。私は訳の分からない悩みに直面していた。親の退職の手続きに行かなきゃいけない…え?就職もした事のないガキが、退職の手続きって…。勉強どころじゃなかった。考えすぎて頭がパンクしそう…。とりあえず泣きたい…。でも、教室では泣けない…。そして、バイク小屋へ向かった。冬のくっそ寒い時期に。外のバイク小屋で白い息を吐きながら密かに泣いてた。
「やっぱりここか。」
「え、せんせー何してんの?」
「いや、お前が何してんの?ww」
「頭がパンクしそうでとりあえず泣いてた」
「あー、パンクしそうだからバイク小屋?」
「…別にかけてはない。」
「wwwみんな心配してたぞ。灰音がいなくなってどこ探してもいないって。」
「せんせーは何でここだと思ったの?」
「うーん、俺が天才だから?www」
「はいはい。真面目になーんーで??」
「迷惑かけたくないって思ってるお前が誰にも見つからずに1人で泣くなら外だと思った。」
「え!?なんで!?」
「だって、さみぃじゃん。この真冬に外に居るなんて誰も思わないだろ?w」
「…じゃあ、なんでバイク小屋だと思ったの?」
「バイク通学だから。外=バイク小屋だろうなって。逆に他の場所思いついたか?」
「…言われてみれば…せんせーエスパーじゃん」
「違う。だから言ってるだろ?天才だって。次泣きたくなったら職員室こいよ。俺には甘えろ。これ命令。分かったな?」
「うん。」
「寒っ、風邪ひくから戻るぞ。あ、カイロいる?」
「いるー!!!!!」
一瞬で見つけてくれて何に悩んでたかも一瞬で忘れさせてくれるイケメン。せんせーの授業は凄くわかりやすい。でも、私はいつもそれどころじゃない。授業よりも大切な事をいつも教えて貰ってる気がするから。人の優しさも大人のかっこよさも。
国語の授業を聞きながら、せんせーやっぱかっこいいな。って、
青春全部勉強どころじゃねぇええええ!!
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