二十五と千

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 しばらく歩くと、段々足が痛くなってきた。  それもそのはずだ。森の中は木が生い茂っていて、塗装された道がないのだから。  それどころか、灯りも道標も、動物の気配一つなかった。頼りに出来るのは、効きの悪くなって来た夜目と鈍ってきた勘、そして運だけだ。  魔女の家は、どこにあるのだろう。そもそも、魔女と言うものは家に留まっているのだろうか。  出てくる前、居場所についても調べてはみたが、結局何の情報も掴めなかった。  しかし、その時に興味深いものは発見した。宛てにはならないが、非常に有益な一冊だ。  それは、僕のように魔女を探しに行った者の日記だった。  そこには、一度村に戻った形跡が残されており、魔女に会ったことも書かれていた。  不死の魔女は、確かにこの森にいる。
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