二十五と千

1/5
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ

二十五と千

 僕達が住む村の寿命は、とても短い。平均して二十五年で、三十年生きられれば長寿だ。  他の村の平均は知らないが、遥か彼方から来た旅人に驚かれたことがあるらしい。そんな話を、幼い頃に聞いた。  この村の運命なのか、人々は同じ病に掛かっては命を落とす。  それでも人々は、血を絶やさないようにと妻を娶り、子を作り、様々な事を教え、自らの遺伝子を継承させた。  そうして、死んでいった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!