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レウは、足音で目を覚ましました。一瞬びくりとしますが、昨夜の出来事を思い出します。
「……お早うございます」
腰を上げると、クルは微笑んでくれました。
「おはよう、レウ。起きたんだね」
この家には部屋が一つしかないので、クルはその場で調理を始めます。と言っても、皮を剥いたり殻から実を抜き取ったりといった作業のようです。
「私もお手伝い……」
「はい完了。どうぞ」
颯爽とされた準備は、見事なものでした。大きな葉の上に、色とりどりの木の実やフルーツが二等分されて並んでいます。とても美味しそうです。
「頂いても良いんですか?」
「召し上がれ!」
そう言うと、クルも自分の分を食べ始めました。見習って口に運ぶと、とても幸せな気持ちになりました。
久しぶりに誰かとする食事は、本当に美味しくて笑顔が零れてしまうほどでした。
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