白い少女と赤い少年

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 少女は、足音に肩を竦めます。人が追って来ていたのだと誤解した少女は、声を止め、身を小さくしました。 「どうしたの? 大丈夫?」  ですが、そんな優しい声が聞こえてきて、つい顔を上げてしまいます。  そこには少年が――服を血だらけにした少年がいました。  少女は驚いて逃げようとします。けれど、腰が抜けて力が入りません。その様子を見た少年は、慌てて大丈夫だよと言ってくれました。  その顔は笑顔です。それも、作られていない笑顔に見えました。 「怪我してるじゃないか、家が近くにあるからおいで」  そう言った少年は、右手を差し出して――引っ込めました。理由は分からないながらも、少女は少年が怖い人では無いと感じ取りました。  寧ろ、この人には同じ何かを感じます。  行く宛てもなく不安だった少女は、一先ず少年についてゆく事にしました。
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