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あれ、性別気にしないとか言ってたの、聞き間違いじゃなかったんだ。
っていうか、これ、もしかして危ない状況?
うわ、九条さん意外に睫毛長い。
瞳も案外茶色が強いんだな。
違う。
違う違う、そうじゃなくて。
ふわりと包まれる香りは、嗅ぎ慣れた九条さん愛用の香水。
頬に手を添えられビクリと肩を震わせたら小さく笑われた。
ダメだ、頭が働かない。
強く握られた手が震えてくる。
口に触れる息が、熱い。
「呼んで……圭介」
熱に操られるように、勝手に口が開く。
「冬、吾……さん」
濡れた瞳が細められたと思ったら、目の前まで近づいてくる。
その近さに思わず目を瞑れば、こめかみに熱く柔らかなモノを感じた。
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