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「鬼多見さん、助かったわ。あの監督、少しヒステリックでね」
好恵が作業員の詰め所から充分離れたところで口を開いた。
「いいえ、間が空いたのはおれのせいでもあるから」
「あ、あの、あなたがアドバイザーの……」
「ああ、後はおれがやる」
刹那はピタリと歩みを止めた。
「はぁッ? それ、どういうこと?」
思わず大きな声が出た。
鬼多見と好恵も脚を止める。
「だから、御堂さんは見ていてくれれば……」
「あなたはアドバイザーでしょッ? それはアドバイスじゃなくて仕事の横取りじゃない!」
鬼多見は「何いってんだ」と言いたげに眉を寄せた。
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