作業員詰め所

4/5
前へ
/30ページ
次へ
「鬼多見さん、助かったわ。あの監督、少しヒステリックでね」  好恵が作業員の詰め所から充分離れたところで口を開いた。 「いいえ、間が空いたのはおれのせいでもあるから」 「あ、あの、あなたがアドバイザーの……」 「ああ、後はおれがやる」  刹那はピタリと歩みを止めた。 「はぁッ? それ、どういうこと?」  思わず大きな声が出た。  鬼多見と好恵も脚を止める。 「だから、御堂さんは見ていてくれれば……」 「あなたはアドバイザーでしょッ? それはアドバイスじゃなくて仕事の横取りじゃない!」  鬼多見は「何いってんだ」と言いたげに眉を寄せた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加