32人が本棚に入れています
本棚に追加
「横取りじゃなくて下請けだ」
「下請けなんて頼んでない」
「手に余るからおれを呼んだ」
「アドバイスが欲しいだけ」
「それだけで何とかなるのか?」
「何とかできるアドバイスをして」
「だからおれが代わると言っている」
「それはアドバイスじゃない」
「じゃぁ何だ?」
「だから仕事の横取りよ!」
「せっちゃん、鬼多見さん、TPOを考えましょうね」
ハッとして周りを見る。先ほどは閑散していると感じたが、平日なのでキャンパスに当然学生たちはいるのだ。
痴話喧嘩と思われたのか脚を止めて通行人がジロジロ見ている。
「とにかく問題の場所に行こう」
「そうね」
呆れる好恵を尻目に、顔を赤くした刹那と鬼多見はそそくさと二号校舎へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!