32人が本棚に入れています
本棚に追加
二号校舎
刹那たち三人は二号校舎の地下へ続く階段の前に立った。
「じゃあ、おれが行くから二人はここで待っていてくれ」
「待ってッ、あたしも行くって言ったでしょ!」
刹那は鬼多見を追い越して階段を降りて振り返った。
「あなたはあたしのアドバイザー、意見は聞くけど命令には従わない」
彼は助けを求めるように好恵に視線を向けたが、彼女はあきらめてと言いたげに眉を上げただけだった。
「わかった、好きにしろ」
「当然」
「社長、ベビーシッター代は別料金ですよ」
「仕方ないわね」
「ちょっとおばさんッ、何で同意するのよッ?」
好恵はちょんちょんと下の階を指さした。
「いいの? 鬼多見さん、先に行っちゃったわよ」
いつの間にか鬼多見は刹那を置いて階段を降りている。
「あッ、待ちなさい!」
最初のコメントを投稿しよう!