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作業員詰め所
数日後、刹那は好恵と二人で神奈川の大学を再び訪れた。今回は本業はないので早紀は来ない。
学園祭が終わったキャンパスは前回来た時とは違い閑散としていて淋しい。
好恵はまず作業員の詰め所に向かった。
「先日は申し訳ありませんでした」
好恵は作業員たちに深々と頭を下げ、刹那もそれにならった。そもそも浄霊に失敗したのは自分だ。
「あれから三日間、作業が遅れているんだよ! 先方にも迷惑をかけるし、ウチの信用問題にだってなるんだッ、今日中に何とかしてくれッ!」
三十代半ばぐらいの現場監督がヒステリックな声を上げた。
他の作業員たちも刹那と好恵を見つめている、みんな不安なのだ。
「改めてお詫び致します。その点はご安心ください、前回の失敗より対抗策を用意しております」
「対抗策? それでまた失敗したら……」
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