序章

8/8
前へ
/43ページ
次へ
「言っただろ?お前の夢は、俺が絶対に叶えてやる」 「っ……(げつ)ッ」 「言えよ。お前の、本当の願い」 彼の言葉と真っ直ぐな強い眼差しに、導かれるーー。 気付いたら。差し出された左手を取って、私は窓から外の世界へ出ていた。 愛おしい彼の腕の中で、本当の願いを呟く。 「(げつ)!私を、ここから連れ去ってッ……」 「おうっ、当たり前だ!」 (げつ)の言葉と笑顔に、もう迷いなんてなくなった。 力強い腕に抱き上げられて、怖いものなんて何もない。私は地の果てまで、彼と共に行こうと思った。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加