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エピローグ~美雪サイド~
「ーで、ママとパパは結婚したわけね」
「パパのプロポーズ、素敵~」
「どこが!?俺には、ギザったらしく聞こえるんだけど!」
暑い真夏のある日、息子の裕一と娘の美優に、私は、裕也と結婚したいきさつを話していた。
裕一と美優は、男女の双子なんだよ。
「パパとママの結婚式の話を聞きたい!」
と言いだしたのは、美優からで、私は照れながら、裕一と美優に結婚式の話をした。
「ママのウェディングドレスとパパのタキシード姿、すごく素敵!私も、いつか、このドレスを着てみたいな」
うっとりとしたように、美優がそう言うと、
「はっ?お前のこと嫁に貰う奴なんていねーよ。それに、お前が着たら、仮装になっちまうだろー」
ケラケラ笑いながら、裕一がそう言った。すると、美優は、むっとしたように、
「いるわよ!裕一こそ、婿のもらいてないんじゃあないの!?」
と言った。
「大丈夫よ、美優ちゃん。いつか、素敵な人が現れるから」
美優の頭を撫でながら、私はそう言った。
「でもさぁ、どうしてママは、パパと結婚したわけ?パパ以外にも、いい男たくさんいただろ?パパのどこを好きになったわけ?」
裕一が、そう聞いてきた。
「そうねぇ、確かに裕ちゃんの言うとおり、裕也以外にもたくさんいい人はいたけど、うーん。裕也のどこを好きになったかと聞かれると、難しいわね。でもね、これだけは言えるわ。『姫野裕也』だから、好きになったとね」
「ふーん。そんなもんなのかなぁ…でもいいや、パパをからかう材料が出来た。今日は、パパのプロポーズの言葉で、からかってやる!」
ニヤニヤ笑いながら、裕一がそう言った。
全く、いたずら大好きなんだから。
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