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私が、裕也と結婚する前の一ヶ月前。
その日は、雪が降っていて、とても寒かった。
卒業前に行わる
『卒業事前テスト』
というテストを、なんとか無事に終えた私は、一旦家に帰り、めいいっぱいオシャレをして、冬物のコートを着ると、家から出て、待ち合わせの場所へと向かった。
待ち合わせの場所である、白浜駅に行くと、もうすでに、裕也が待っていた。
「お待たせ!裕也。待った?」
「嫌、全然。俺も今来たところだから」
「嘘ばっかり!ほっぺた冷たくなってるわよ」
裕也のほっぺたを触りながら、私がそう言うと、
「しっ…仕方ねーだろ!買う物があったんだよ!」
顔を真っ赤にしながら、裕也は、そう言った。
「買う物?何を買ったの?裕也」
「今は言わねーよ!そんなことより、行くぞ!美雪!」
裕也はそう言うと、さっさと歩き出した。
「あっ、待って。裕也」
そう言いながら、慌てて裕也の後を追った。
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