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プロローグ~裕也サイド~
三月十四日。
高校卒業しての数週間後、
俺は、幼なじみで、彼女である美雪と、
結婚式を挙げる。
俺たちは今日から、夫婦になるのだ。
「うーん、やっぱ、この髪型に、この衣装は、似合わないよなぁ…」
そうぶつくさ鏡を見ながら、俺がそう呟いていると、
「おいおい、とっくに美雪ちゃんは支度終わってるぞ!男のお前が、準備終わってないとか…デート前の女子ですか?お前は!」
新郎専用の入り口のドアに立ちながら、俺の親友の松田がそう言った。
「うっ…うるせーな!もう少しで終わるから、待ってろよ!」
髪の毛をいじくりながら、俺がそう言うと、
「流石の姫野も、自分の結婚式では、緊張するってか?」
ニヤニヤわらいながら、花城がそう言った。
こいつー、むかつくー!
「おーい、姫野ー。美雪ちゃんのウェディングドレス姿見に行こうぜー!」
山田が手を振りながら、俺らにそう言う。
「美雪ちゃんのドレス姿ー、どんなだろうな!!」
松田はそう言うと、新婦専用の部屋まで、走り出した。
「あ、待てや!美雪のドレス姿見るのは、夫である、この俺だ!」
俺はそう言いながら、松田の後を追う。
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