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プロポーズ~美雪サイド~
それから、私と裕也は、映画を見て、
裕也が予約してくれたレストランに行った。
お店は綺麗でオシャだし、料理も美味しかった。
「ここのお店、とても綺麗だし、料理も美味しいから、最高だよ。裕也」
「そっ…そうかい。そいつは良かった」
なぜかそわそわしながら、裕也がそう言った。
「でも、裕也は全然料理食べてないじゃない!どうしたの?」
私がそう聞くと、裕也はため息をひとつつき、
「実はな、お前に言いたいことがあるんだ」
と言った。
「言いたいこと?何?」
私が裕也にそう聞くと、裕也はズボンのポケットから小さい箱を取り出し、私に渡した。
私は、裕也から小さい箱を受け取ると、ふたを開けた。すると、箱の中には、指輪が入っていた。
「裕也…これ…」
「美雪…俺の父さんと母さんが亡くなってから、今までずっと俺のこと支えてくれてありがとう。これからは、俺がお前を支えていきたい!だから、俺と結婚して下さい!」
思いがけない裕也のプロポーズの言葉に、私は、涙を流した。すると、裕也は、焦ったように、
「みっ…美雪!その涙は、まさかNOなのか!?」
と聞いてきた。
「バカ!そんな訳ないでしょ!返事はもちろん、『はい』だよ」
涙を拭きながら、私がそう言うと、裕也は安心したように、
「良かった」
と言った。
「後は、パパに挨拶しなくちゃあね。裕也」
私がそう言うと、裕也はキリッとしたような顔になり、
「あっ…あぁ、そうだな」
と言った。そして、
「おっちゃん、許してくれるかな?」
と小さく呟いた。
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