夢はそれぞれ違っていい。

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****** 「私の夢は大きくなったら寛太のお嫁さんになることです」 クラス中が大騒ぎでざわざわと笑い声が聞こえる。 「雪子は寛太と結婚するのか」 周りの状況をみかねて座っていた先生が慌てて立ち上がった。 「静かにしなさいね。笑うのもやめなさい。夢は1人1人違っていていいのですよ」 後ろの席で学級委員の男子が手を挙げて立ち上がる。 「でも先生、笑うなって無理です」 寛太は下を向いて照れていた。 雪子は目を大きくして真剣な表情をしていた。 「だからみんなの前では言うなって言っただろう。あんなことを言ったらからかわれるだけだろう」 寛太は学校の帰り道、雪子と並んで歩いている。 「いいの。私は言ったことは後悔していない。私の夢だからみんなに聞いてほしかった。みんなに笑われることより寛太が不機嫌になることが悲しい。寛太そんな冷たい 態度をとられるとは思わなかった。私は先に帰る」 雪子は急に走りだし、すぐに姿が見えなくなった。 寛太は直ぐに追いかけようとしたが後ろから掛け声が聞こえた。
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