夢はそれぞれ違っていい。

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小学生の時に写した写真だ。 寛太と1人の女の子が写っている。 母親が手を伸ばして写真を取り上げた。 「私にも見せな」 「なんだよ。せっかく見ていたのに」 母親もじっと写真を見つめた。 「懐かしいわね。寛太が小学生の頃の写真か。隣に写っている娘は確か、雪子ちゃんだよね」 「そうだよ。返せって」 寛太は母親から写真を取り返した。 「はやくご飯が冷めないうちに食べな」 「わかったよ」 散らかった本やアルバムをまた元の場所に戻した。 寛太は写真をズボンのポケットに入れた。
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