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「そうか、それなら仕方ない。無理に考えても仕方ないからな。よしそれなら
俺が考えてやろうか」
「うん、寛太にお願いする」
寛太は空を見上げて真剣に考えた。
「よし、これならどうだ。大きくなったら俺の嫁になるっていうのは」
「嫁になるってどういうことだ」
「同じ家で一緒に暮らすことだよ」
「嫁になるってそういうことなんだ。うん。わかった。私の夢は寛太の嫁になるにする」
寛太はホッとした笑顔になった。
「良かった。雪子が喜んでくれて。一生懸命考えた甲斐があった」
雪子も笑顔になっている。
「私こそ感謝しているよ。夢が出来て良かった」
「だけどその夢はなるべくみんなには言わないでくれよ」
「なんでなの。せっかく出来た夢なんだからみんなに言いたいよ」
「恥ずかしいから胸に仕舞っておいてくれよ」
「わかったわ寛太の言う通りにする」
「ほら魚が焼けたよ。食べな」
寛太はお皿に載せて雪子に差し出す。
受け取った皿の上の魚を小さい口で食べた。
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