夢はそれぞれ違っていい。

6/22
前へ
/22ページ
次へ
「そうか、それなら仕方ない。無理に考えても仕方ないからな。よしそれなら 俺が考えてやろうか」 「うん、寛太にお願いする」 寛太は空を見上げて真剣に考えた。 「よし、これならどうだ。大きくなったら俺の嫁になるっていうのは」 「嫁になるってどういうことだ」 「同じ家で一緒に暮らすことだよ」 「嫁になるってそういうことなんだ。うん。わかった。私の夢は寛太の嫁になるにする」 寛太はホッとした笑顔になった。 「良かった。雪子が喜んでくれて。一生懸命考えた甲斐があった」 雪子も笑顔になっている。 「私こそ感謝しているよ。夢が出来て良かった」 「だけどその夢はなるべくみんなには言わないでくれよ」 「なんでなの。せっかく出来た夢なんだからみんなに言いたいよ」 「恥ずかしいから胸に仕舞っておいてくれよ」 「わかったわ寛太の言う通りにする」 「ほら魚が焼けたよ。食べな」 寛太はお皿に載せて雪子に差し出す。 受け取った皿の上の魚を小さい口で食べた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加