夢はそれぞれ違っていい。

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「物置きを掃除していたら見つけ写真がこれだ」 平太と裕太が写真を見ている。 「これは確か」 「坂木雪子か。写真を見て思い出した。確かにこの娘は結構、可愛かったな」 寛太が働く焼き鳥屋ひな鳥で幼馴染の友人、相川平太と勝俣裕太がお客として来ているカウンターの手前で焼き鳥を焼いている寛太のすぐ側のテーブルで平太と裕太は 焼き鳥を食べ、ビールを飲んでいる。 平太が叫んだ。 「お姉ちゃん、生ビールをもう一杯」 短髪の女性スタッフは混み合った店内を切り盛りするのでてんてこ舞の様子だったが笑顔で合図して生ビールをすぐに持ってきてくれた。 寛太は注文を受けた焼き鳥を焼きながら平太と裕太との話に耳を傾けている。 「ほら、鳥軟骨が焼けたよ」 寛太は平太に鳥軟骨がのったお皿を渡す。 「坂木 雪子は小、中でクラスが一緒だったのは小学校だけだった」 平太は鳥軟骨をかじる。 「俺は小、中共にクラスが一緒だった」 寛太はネギまに壺に入ったタレをつけてまた焼き鳥機にのせる。 「あいつは小学校の時は普通だったけど中学あたりからどんどん綺麗になっていったな。切れ長の目で目力があってな。性格もだんだん積極的になっていったな。クラスでは結構人気あったな」 「そうなんだ」 寛太は焼き鳥を小まめにひっくり返しながら耳を傾けている。
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