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「可能性としては家に置いてきたか、どこかに落としたかだけど、心当たりはあるか?」
直哉にそう言われて記憶を辿ってみる。
んーと昨日急いで家に帰ってそれから……。
……ん?
昨日家に帰ってからネックレスを見た記憶が無いような……?
そこで頭の中に浮かんだ一つの可能性……。
「昨日ネックレスを取り返したとき落としたかも……」
うわぁ……。
逃げることに必死で気付かなかった……。
ネックレス取り返して自分のネックレス落とすってアホか!
「それじゃ、バイト終わったら一緒に探しに行くか」
直哉がそう提案する。
その申し出は嬉しいんだけど、なんせ昨日ヤバいやつがたくさんいた所だ。
治安が悪いのは間違いない。
直哉をそんな危険な場所に連れて行きたくない。
「い、いや、おれ一人で行ってくるよ」
「けど歩夢は意外とドジだからな」
「うっ、おれはドジじゃありませんー。バカにしてんのか」
「バカにしてんじゃねぇよ。心配してんだ」
直哉は心配そうに眉根を下げておれを見る。
バイトが終わった後だと遅い時間になるからだろうか。
本当に心配性だな、直哉は。
「心配ねぇって!さくっと行ってさくっと帰ってくるよ。昨日のヤツらがいないとも限らないし」
「……わかったよ。ネックレスが見付かっても見付からなくても家に着いたら連絡しろよ?」
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