三日連続の痴漢男

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三日連続の痴漢男

「歩夢、お前昨日連絡するって言ったの忘れてただろ?オレ連絡来るの待ってたんだからな」 「あーごめん、すっかり忘れてた……」 「まぁ、ネックレスも見つかったみたいだし歩夢も無事だったからいいけど」 直哉はそう言ってエプロンを身に付けた。 おれも急いでエプロンを身に付ける。 昨日は連絡どころじゃなかった。 まさかおれのネックレス持って待機してやがるとは……。 なんとか逃げ切ったのはいいけど、さすがに二回連続で能力使ったら怪しまれるよなぁ。 おれたちがバイトしているのは街中にあるカフェ「スイート・ロマン」だ。 このカフェはお客さんと店員の距離が近いカフェとして若い女性を中心に人気がある。 それもあってか来るお客さんは常連さんが多い。 おれはここで情報収集や悩み相談を受けたりしている。 もちろん男性のお客さんやお年寄りの方も来店する。 まさに交流と安らぎの場と言えるだろう。 バイトしてる間は嫌なことも忘れられる。 おれにとっても安らぎの場なのだ。 今日もいつものようにお客さんの話を聞きながら料理を出してバイトを終えるのだと思っていた。 でも今日は違った。 それは夕方頃のことだった。 お店の扉が開く。 「いらっしゃいませ」     
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